バブル
ダイバーにとって減圧を管理すること。
それは空気の残圧とともに最大限に注意するべきことである。
絶対に超えてはならない。

ダイブコンピューターを確認すれば簡単にできることではあるが、
それでもうっかり、不注意に減圧不要限界を超えてしまうことはある。

そんなとき、パニック寸前で上に向かって浮上することはもっと危険なことだといえる。

今回はかなり真面目に減圧潜水モードに入ったしまったときの、
ダイブコンピューターの味方についてレクチャーしよう。

ただ、あくまで緊急時の対応なんで、
デコ(減圧表示)を出してもいいってことではないのでご注意を!


ロープ
今回は僕が使ってるスント・D4と想定して説明します。
ただ、どこのコンピューターでもその原理は同じなので、
表示の見方などは各自、説明書のほうでチェックしておくといいでしょう。

まず減圧潜水について考えてみましょう。

ダイビングコンピューターが減圧不要限界0分を超えると、減圧潜水モードに入ります。
D4であれば、「NO DC TIME」(無限圧限度時間)が消えて、「ASC TIME」(総浮上時間)の点滅表示に変わります。
どの機種でも、表示が0から一気に増えるのでわかると思います。

ただ、これが無限圧限度時間が増えたわけではなく、
減圧に必要な時間が表示されたと理解する必要があります。

あ、まだまだ潜れる~でなくって、
これでなかなか水面に上がることを許されなくなったと考えるべきなんです。

なので、この時間が増えるということは、
減圧を終了する前にエア切れになる危険性が高くなると認識したほうがいいだろう。


ウミヘビ
ここでちょっと減圧潜水の原理について考えておきます。

減圧が必要になると、安全停止のようにある深度でとどまる必要があります。
その深度のことをシーリングと呼ぶ。

ただ、最近のダイコンでは、決まった深度での減圧でけでなく、
ある深度の範囲内で減圧を可能にできるようにプログラムされている。
その範囲で、一番深い深度をフロアー、一番浅い深度をシーリングとしている。

なので、減圧表示が出たからといって、
早くシーリング深度まで浮上しなければならないと焦る必要はない。
とりあえずはフロアー深度までゆっくり浮上を開始しよう。

この後はゆっくりと減圧していくので、
より安全な浮上速度を守りつつ浮上し続けることが大切である。

もちろんですが、減圧中だからといって、
途中で寄り道して写真撮影なんかしてちゃダメですよ。
もし万が一、減圧が終了する前にエア切れになってしまう恐れもありますので!


太陽
減圧潜水モードに入って、絶対守らなくてはならない原則がある。

「ASC TIME」が0になる前に、このシーリング深度より絶対に浅く浮上してはならない。
安全停止と違って、これを超えると、本気で減圧症を発症する可能性があるので、最大限の注意が必要になる。

減圧表示が出たときに、フロアーよりも深いところにいる居続けると、
さらにシーリング深度はより深く、「ASC TIME」もより長く表示されることを頭に入れておいてほしい。
「おぉ~、アケボノハゼだ」って減圧を忘れて写真撮影に夢中になってると、大変なデコが出てしまうこともあるので!

当然ですが、エア切れになってしまう恐れがあるので、デコ表示が出た時点ですぐにフロアー深度まで浮上を開始するのは鉄則だと言える。

D4では、フロアーよりも深い所にいる場合、シーリング深度の隣に▲の表示が出て、「ASC TIME」が点滅するようになっている。


リング
万が一、減圧表示が出てしまってもあわてないこと。

あわてずゆっくり浮上を開始し、あとはダイブコンピューターの指示にしっかり従うことが大切である。
そのためにも、シーリング表示とASC TIMEが自分のダイコンでどのように表示されるのかを、説明書でチェックしておく必要がある。

あとは、一番の基本ですが、デコ(減圧表示)を出さないようなセーフティーダイビングを守ることですね~。

P.S.
今回は、意外とダイコンに減圧表示が出た時の意味がわかっていないダイバーが多いので、コラムとして記事にまとめてみました。
スントの取り扱い説明書、インターネットなどで調べてみると、なかなかまとまった情報は出てこない。
ならば自分でまとめてしまおうという考えで載せてます。
減圧潜水を推奨するわけではないのであしからず・・・。