今回はいまどきのダイブコンピューターには標準装備になりつつあるディープストップについて。
もともとはテクニカルダイビングの世界では、常識といってもいいような減圧理論で、水深30mオーバーを超えるような大深度潜水を行った際にはかなり有力な理論だと言えます。
とってもアバウトに説明すると、
「ディープストップとは、安全停止よりも深い深度で、ある程度の時間停止すること」
これにより、普通の安全停止よりもより効率的に窒素が体から排出できそうな。
ちなみに、まだダイブコンピューターすら持っていないとう人は、まず前回ご紹介したダイバー必携、ダイブコンピューターもご覧下さい。
何を隠そう、実はディープストップに関しては、正直あまり必要性を感じたことがなかった。
ですが、ふとしたきっかけで最新のスント・D4を手に入れたことで、いろいろと調べてみたって感じ。
まず、取扱説明書を見てみると、「・・・」、う~む、設定の仕方が書いてあるのみ。
D4ではディープストップの時間を1分、または2分に設定できるそう。
ちなみに、DANの会報紙には、最大でも2分30秒以内がポイントで、それ以上だと逆に窒素が蓄積する方向になるらしい。
とゆーことで、僕はとりあえず1分にセットしております。
で、詳しい減圧の原理は?
最大水深の半分の圧力の深度で停止することにより、浮上後に生じた気泡が大きくなることを防ぐことができる。
う~む、さっぱり分からん。
ヒジョーに簡単な例を言うと、ペットボトルのコーラを想像して下さい。
軽くシェイクして、これを吹き出ないようにして開けるにはどうしますか?
勿論、蓋をゆっくり開けると思いますが、半分くらい開けたところで一旦止めると思います。
そう、ペットボトルが我々の体で、蓋を開けるスピードが浮上速度なんです。
なるほど~。
つまり、水深40mへディープダイビングするのであれば5気圧、その半分で2.5気圧。水深にすると、15mがディープストップの深度ということになりますね。
あとは浮上スピード。
意外とコレのほうが大切だったり。
まあ、ラインセンスを取るときには1分間に18m以下って学習しますが、最新のコンピューター的には10m/分というスピードを採用しているものが多い。
なぜかと言うと、浅い深度ほど体積変化が大きくなるため。
30mから10mに浮上すると、体積は1/4から1/2に膨張、そして、10mから0mの水面まで浮上すると、体積は1/2から1まで膨張します。
とゆーことは、後者は前者に比べて2倍も膨張していることになってます。
ま、「バブルリング」が段々大きくなるスピードが上がるのもこのせいですな。
浮上警告のピーピー音がうるさいってよく言っているダイバーも少なくありませんが、実はディープストップはこのゆっくりの浮上速度を維持しないとあまり意味がなかったりします。
せっかく、ディープストップで気泡が大きくなるのを抑えたというのに、そのあとの浮上で気泡が大きくなってしまっては意味がないですからねぇ。
ちなみに、深いダイビングをしたときほど、安全停止後の浮上を一番ゆっくりにしたほうがいいみたい。
よく、安全停止を終わった~って思って、勢いよくボーンと浮上しちゃうダイバーもいなくはないですが、あれは本気で危険です。浅いところほど、水圧に対する体積変化が大きいので、できるだけゆっくりとジワリ、ジワリと浮上するように!
水面に対して斜めに浮上したり、浮上中に大きく足を広げてブレーキをかける(フレアリング)もかなり有効なテクニックですよ。
「でぃーぷすとっぷ???」、
なんじゃそりゃ~ってことで、この機能をオフにしてる人。
原理が分かると使ってみようって気になりませんか~?