ダイバー潜降
いきなりですが、フリー潜降ってできますか?

フリー潜降とは、ダイビングボートなどからエントリーした際にアンカーロープなどを使わずに、そのまま水底へ潜降する方法です。

上級者のポイントではドリフトダイビングが主流となっていて、ごく当たり前のようにロープ無しで潜降することになります。

そこで今回は「フリー潜降」について、ちょっとしたコツをご紹介。

まず第一に何故沈まないのか?沈めないのか?

その原因としては主なもので4つあります。

1.BCDのエアーを抜ききっていない。
2.息を吐ききれないので沈まない。
3.息は吐ききれるけど、沈み始める前に息を吸ってしまっている。
4.耳抜き中に上にあがってしまう。


1.BCDのエアーを抜ききっていない。

これは、BCDの排気が不十分でまだ空気が残っている状態で、無理やり頭から沈もうとするダイバーに多い状態です。

この場合は、一度体をしっかりと起こして、BCDをしっかり排気する必要があります。
ちなみに、排気バルブはBCDの左肩上部についていて、この部分を一番上にしないとインフレーターを操作しても排気することができません。
ポイントはBCDの中の空気の動きをイメージし、しっかりとこの左肩のバルブに集めてあげることです。


2.息を吐ききれないので沈まない。

ダイビング開始時に興奮から気持ちが高まってしまい、呼吸が早くなったダイバーに多い状態です。
これでは、息を十分に吐ききらないうちに、さらに吸おう吸おうとして、結局、肺の空気による浮力で沈むことが難しくなります。

もし、呼吸が落ち着かないようであれば、一旦水面で呼吸を落ち着けてから潜降するといいでしょう。


3.息は吐ききれるけど、沈み始める前に息を吸ってしまっている。

肺活量のある方で呼吸のリズムが速い方に多い状態です。
息はしっかりと吐ききれてはいるのですが、体が沈み始める前にまた次の息を吸ってしまって沈まないという状態です。

この場合は、息を吐きながら、心の中でゆっくり5秒をカウントして下さい。
沈み始めることを確認してから、軽く息を吸って、もう一度しっかり吐きながら5秒カウントします。

ある程度、潜降することができれば、ウェットスーツが圧縮されて浮力が小さくなるので、
普通の呼吸に戻しても大丈夫ですよ。


4.耳抜き中に上にあがってしまう。

耳抜きが苦手な方に多い状態です。
息を吐いて沈むことは出来るんだけど、耳抜きをしているうちにまた体が浮いてきてしまい、水面付近の1~2mぐらいを上下するだけで、なかなか潜降できない状態です。

そんな方には息を少し吐いてから耳抜きをマスターしましょう。
耳抜きに使う空気なんて、実際はほんのわずかな量で十分です。
少し練習すれば誰にでも出来るようになりますよ。


おまけですが、潜降時に仰向けにひっくり返ってしまうことってありませんか?

特にスチールシリンダーの場合は、シリンダー自体がかなりマイナス浮力のため、後ろに引っ張られるにようになってひっくり返ってしまいます。

そうならないためには、前に体重をかけて、フィンをしっかり後ろに折りたたみます。
ちょうど膝から降りていくイメージで潜降すると、ひっくり返ることなくスムーズに潜降することができますよ。