ダイビング中に砂を巻き上げないテクニックの案内です。
原案は2010年に書き上げた記事なんですが、10年経って新たに加筆、修正してみました。
20本に満たない初心者でもできるような方法を3つに絞ってご紹介。
- 離陸は肺の飛び立とう
- 砂地は「指ブスブス作戦」で進みましょう
- 横向きキックをマスターしよう
1.離陸は肺の飛び立とう
ダイビング中にカメラ撮影などで着底した後に泳ぎだすときって、どうやって水底から離れていますか?
意識せずに立ち泳ぎをするようにフィンキックすると、砂が巻き上がって大変なことになっちゃいます。
また、手でスカーリング(横向きに動かして揚力を得ること・水泳のテクニック)をしても、かなりモクモクと煙幕が発生。
後から来るダイバーが不快な思いをすることもあるし、小っちゃいカエルアンコウの幼魚なんかは吹っ飛んでいなくなってしまうこともあったり。
では、ベテランダイバーはどうやって?
それは、息をめいいっぱい吸い込んで、肺のプラス浮力を利用して、手足を動かさないで離陸します。
ちょうど、空中浮遊のイメージですね。
そのためにはまず第一前提として、中性浮力がある程度とれていることが条件となります。
中性浮力については、下記のページを参考にして下さいね。
まずはたっぷり息を吸います。この時点ではまだ体は浮いてきません。
そこで息を堪えるわけでは無いけど、体が浮いてくるまで、息を吐くのをしばらく待ちます。
体が少し浮いてきたかな~、ってところで少し早めに息を吐きます。
今度は、ちょっと沈んできそうかな~ってところでまたゆっくりと息を吸います。
こうすれば、どんどん体は浮いてくると思います。
ただし、この息を吸って~、吐いて~の待ち時間の長い人は、呼吸の吸うスピード、吐くスピードが早い人だと思ってくださいね。
理想は出来るだけゆっくり吸って、ゆっくり吐いて、呼吸を途切れさせないことです。
まあ、これはライセンス講習の際にもやったホバリングのテクニックの応用なんですが、
水中撮影用に多少重め(1kgぐらい)のウェイトを組んでいても、意外と肺の浮力だけで浮かび上がることは容易ですよ。
ちなみに、上級者の中には、離陸の際にBCDに空気を入れるという方法もあります。
これでもOKなんですが、入れすぎてしまう場合があったり、また、着底する際には排気する必要があるので、意外とエアーを消費してしまったりします。
この呼吸によるプラス浮力をマスターすれば、「立つ鳥跡を濁さず」というよに、スマートな離陸ができるようになりますよ。
2.砂地は「指ブスブス作戦」で進みましょう
砂地の移動って、砂の巻上げを意識していますか?
多くの人は砂の巻上げを嫌って、かなり水底から離れて泳いでいたりもします。
ただ、これでは砂地の生物(おもにハゼ関係ですが)を見逃してしまうことになります。
それどころか、発見しても、上から近づくと、あっという間に砂の中に隠れてしまうことになります。
なので、理想はできるだけ低空で、なおかつ砂を巻き上げないテクニックが必要です。
ガイドがやってるのをたまに見かけると思いますが、それは「砂ズブズブ作戦」。
砂地に指をぶっさして、ホフク前進するように這うように移動します。
これならハゼを見つけてもすぐに撮影のための臨戦態勢が取れますよ。
それとこの作戦、流れのある場合でもかなり有効です。
掴まるものが何にも無いような真っ白な砂地でも、この方法なら、
無駄にフィンキックすることもなく、流れの一番弱い水底ギリギリを進めるので有効ですよ。
3.横向きキックをマスターしよう
最後は、「横向きキック」。
って、聞いたこと無い、見たこと無いって人を多いと思います。
上から見ると、通常だと横から見るようなフィンキック。
横から見ると、通常だと上から見るようなフィンキック。
そう、実は皆さんが普通にやってる縦向きのキックと足の動かし方は全く同じなんです。
ただ単に、それを水底を平行に90度反転させてるだけ。
ちなみに、よく聞く「あおり足」。
楽に進むし、あまり砂を巻き上げることもありません。
けど、この「あおり足」を習得するまでにはかなりの本数をこなさないと難しいのも事実です。
この横向きキックであれば、初心者の方でも、発想の転換だけでマスター出来ちゃうという簡単さ。
ダイビングライセンス取立ての初心者ダイバーでもすぐに使えるようになるテクニックですよね。
最後に、慶良間、沖縄本島のメジャーな砂地のポイントは下記のとおり。
慶良間・・・ドラゴンレディー、唐馬、アリガー、パライソ
沖縄本島・・・レッドビーチ、崎本部(ゴリラチョップ)、山田
かっこよく砂巻き上げないスマートなダイバーを目指して、皆さんがんばってください。