慶良間のサンゴって世界有数の美しさだって知ってますか?
ただ、このサンゴが10年前と比べて、1/10にも減ってしまったという話も有ります。
そこで、この貴重なサンゴを守るためにダイバーができることについてご紹介。
今回はその第一回としてサンゴについてお勉強。
僕も含めて、皆さんもサンゴについて知識を深めるとともに、何故、サンゴが死んでいっているのかということについて学びましょう。
1.サンゴという生き物
2.ハードコーラルとソフトコーラルの違い
3.サンゴにダメージを与える生物達
4.水温とサンゴの関係
1.サンゴという生き物
そもそもサンゴって植物?石?みたいだけど、実はれっきとした海洋生物なのだ。
ビーチによく転がっている真っ白なサンゴの欠片は、実際はその骨格。
本体はその骨格の表面にイソギンチャクのようなポリプとして存在しています。
サンゴが成長するってのは、ポリプの下の骨格部分が大きくなることになります。
ダイビング中にサンゴに触ると手がヌルヌルするっていうのは、
ストレスを感じて、このポリプから分泌される粘液のためなんですよ。
詳しくは、サンゴ礁Q&A|日本サンゴ礁学会をご覧下さい。
2.ハードコーラルとソフトコーラルの違い
一般に、慶良間でよく見られるのはハードコーラル。(1枚目の写真)石サンゴとも言われます。エダサンゴやハマサンゴ、ミドリイシなど。
この他に、沖縄本島の砂辺や崎本部で見られるやわらかいサンゴがソフトコーラルです。(2枚目の写真)ヤギという長細いものや、ウミトサカやウミキノコ。
どちらも同じサンゴですが、骨格がしっかりしているか、そうでないかの違いです。
ハードコーラルはしっかりとした骨格を成形するために、その成長には非常に長い年月がかかるのに対して、ソフトコーラルは骨格の成形に時間がかからないので成長が速いともいえます。
そして今、急激に減少しているのが、成長に長い年月がかかる前者のハードコーラルになります。
ちなみに、いわゆる宝石として加工されているものは、また別のサンゴになります。水深300m~1000mの深海に生息し、ダイバーがお目にかかることはまずありませんので。
3.サンゴにダメージを与える生物達。
サンゴにダメージを与える代表格は、やはり「オニヒトデ」が有名。
沖縄でも数年おきに限られたポイントで大量発生することが多く、その度に多くのプロダイバーがオニヒトデ駆除をしています。
ただ、現在はその密度は正常な数値に収まりつつあります。
「オニヒトデ」に関しては、成長の早いミドリイシ系のサンゴを好んで食べるため、分布密度が低ければ、ハマサンゴなどの成長の遅いサンゴを助けているとも言えますね。
ただし、「オニヒトデ」は強烈な毒を持っているので、ダイビング中に見つけても絶対に近づかないことが賢明です。
最近になって話題に上っているのが、シロレイシガイダマシ。
小さな巻貝なんですが、これが表面のポリプを食べちゃいます。
部分的に白化や藻に覆われているサンゴがその食害を受けた痕です。
「オニヒトデ」ほどではないにしろ、ジワリジワリをサンゴを死に追いやることには変わりはありません。
現在は駆除の対象としては、オニヒトデというよりも、この小さなレイシガイということになります。
ちなみにこの巻貝、食べて美味しいならいいんですが、どうやらとっても苦いようです。
駆除したあとに何か有効活用できる道があればいいんですけどが。
4.水温とサンゴの関係
サンゴといえば、熱帯の暖かい海というイメージですが、実は、暖かすぎてもあまりよく無いということがあります。
沖縄では、サンゴの適正水温は25度~28度。30度以上になる期間が長く続くと、サンゴにとっては暑過ぎて白化が始まると言われています。
また、ダイバーがサンゴに触れるのも少なからずはダメージを与えます。
30度で熱すぎたら、ダイバーの体温である36度なんて火傷に近い状態です。
なので、ダイビング中はなるべくならサンゴに触れないように注意しましょう。
といっても、それでバランスを崩してしまって、スクーバ―シリンダーなどでサンゴを破壊しないようにね。
火傷と骨折だったら、どう考えても骨折のほうが重傷ですよ。
次回は「サンゴを守るためのダイビングテクニック」ですよ。