おうじまって知ってますか?
ウチナーに聞けば、「天ぷら屋さん」、「もずくそば」ぐらいしか思いつかない場所かも。
沖縄本島の南東にあり、ちょうどおきなわワールドのすぐそば。
島というだけあって、本島からは一本の橋でしかつながってない。大きさはグルッと車で回って3分ぐらい。
ダイビングポイントとしては、長いリーフの内側にある本島と島の間の海域で潜ります。全く波が入ってこない内海であることと、
入ってすぐに水深8mぐらいとれちゃうところがすごい。
ただ、地質は砂、ガレとかなり殺風景。しかも、冬場は比較的透明度もよく、10mぐらいは抜けてるけど、夏場はギャフンと
いうぐらいに濁っていることが多い。
こんな感じに、ある意味、沖縄っぽくない場所なんですが、海況が穏やかなので、講習ポイントとしては超有名。
ここからダイビングをはじめたダイバーさん、結構多いのではないでしょうか?
当店も、基本、ライセンス取得コースの海洋実習初日はここになりますよ。
水中で見られる生物に関しては、あまり期待できるものはなかったり。
冬場はそこそこウミウシが見られますが、それ以外はダテハゼがちょろちょろと、一応クマノミ、ハマクマノミが見られるくらい。
きっと、奥武島には何もいないと思っているインストラクターも多いのではないでしょうか?
が、年間を通してかなり本数を潜っている自分ですが、意外な出会いが何度かあるもの。
今回は、そのサプライズな魚や水中生物達をご紹介。
まずはなんといってもカメ。
まさかこんなインリーフの中に???ってくらい。
年間を通して、1、2回ぐらいは出没しているそうな。
ま、リーフがかなり長いので、満潮時、なおかつちょっと海が時化てる時が多いみたい。
けど、初ダイブでウミガメにあえるなんてびっくりですよねぇ。
→2008年7月10日 アオウミガメ
お次は沖縄ではレアもののカエルアンコウ。
今までに黒、緑を目撃。
こちらは一度見つければ、2週間ぐらい見られることも。
ただ、やっぱり冬場が多いですねぇ。
→2009年1月30日 カエルアンコウ
こちらも冬の名物になりつつあるニシキフウライウオ。
どこから来るのかわからないけど、毎年、冬になると出没するような気が・・・。
初めてみる変てこな魚にゲストもかなりテンションアップですな。
→2009年1月10日 ニシキフウライウオ
慶良間でもなかなか見れないイッポンテグリ。
昨年の夏は1ヶ月以上は確認できたかも。
→2009年8月21日 イッポンテグリ
たまに出没、ホタテウミヘビ。
しかもエントリーしてすぐの砂地にいることが多いので、引っ込んでしまっていることも多々。
ただ、ある程度、場所がわかってしまえば、かなりの確率で見られます。
→2009年4月2日 ホタテウミヘビ
もはやブームも下火になってるけど、ユキンコボウシガニの愛称で有名なオガサワラカイカムリ。
ただ、ここはほとんどチャツボホヤが無いので、とりあえず見つけたらユキンコチェック。
かくいう僕もこの写真の子を一度しか見たことないなぁ。
→2009年7月29日 オガサワラカイカムリ
ガンガゼがかなりはびこっているポイントなので、探してみると発見。
半年ぐらい見ることができたんですが、最近になって行方不明。
紫色のなかなかかっちょいいエビなんですが、初心者なゲストにお見せすうるのはかなり大変だったり。
→2010年5月13日 ガンガゼエビ
他のポイントではなかなかいないヒバシヨウジ。
ブルーの体がかなり目立つけど、暗くて狭くてガンガゼの影とかを好むのでなかなか見れない。
よーく探せば、かなりの確率で見つけることができますよ。
あと、紅白縞々のオイランヨウジはここの定番になってますね~。
→2009年7月27日 ヒバシヨウジ
最も美しいイカといえるハナイカ。
ここでは他にはコブシメが冬になるとよく見られるのですが、ハナイカを見たのはこの一度だけ。
よく砂辺のナイトでは確認できるそうですが、まさか昼間っから、しかも奥武島で見られるとは。
実はナイトで潜れば、かなりの高確率で見られるのかも。
→2008年11月12日 ハナイカ
それほどレアというわけでもないけど、カラッパ。
ただ、探して見つかるというものではなく、偶然にあっこんなところにって感じに見かけます。
石ころみたいで、パキッと手足が出てくるさまはまさにガン○ムのハロそっくり。
砂にモゾモゾと埋まってく姿も可愛いですな。
→2009年10月20日 カラッパ
ここから先は番外編。
他のポイントではまず見かけない種類や季節ものを。
まずはミジュン。
そう、カタクチイワシの幼魚の大群のこと。
まさに空に立ち込める暗雲のように数万、数億(?)の大群が水面付近を移動します。
GW明けから夏前までによく見られるね。
→2010年5月28日 ミジュン
慶良間の運瀬で有名なイトヒキアジ、・・・の幼魚。
あの堂々とした姿からは想像できないような幼魚。
胸鰭(?)がヒラヒラ~ってアメリカンバイクみたいに垂れ流して泳ぎます。
もう少し透明度が良ければ、ばっちり撮れるんだけどな。
10月~12月ぐらいに毎年確認しています。
→2008年12月21日 イトヒキアジyg.
ウミウシもご紹介。
僕も一度しか見たこがないミスガイ。
ほんと見つけたときは手が震えるぐらいの感動。
見た目の美しさは他のウミウシを圧倒するぐらいでしたね。
もう一度、生きているうちに見られるかなぁ。
→2007年5月10日 ミスガイ
いっときかなりの高確率で見られたフグ。
まるで焼きナスのように走った横筋模様。
金武のレッドビーチでも確認されいるようですが、それ以外では全くお目にかかったことが無いですな。
→2007年10月8日 スジモヨウフグ
完全に番外ですが、見たことも無いシャコ。
モンハナシャコは冬場によく見られるけど、かなり模様が違う。
よーく見れば、両腕に日の丸の国旗が!
こやつも数回しかお目にかかったことないなぁ。調べてみると「Gonodactylaceus glabrous」というらしい。ん~、シャコワールドも奥が深いかも。
→2010年3月23日 黄色いシャコ
おやっと見つけたネタ。
真栄田岬や砂辺、ケラマのほうでは野崎などで確認されてるピグミーシードラゴン。
ただ、こちらはまだ通称で和名はまだついていない。正式には、「キオネミクティス・ルメンガニィ」というらしい。
まあ、いそうな雰囲気はしてるので、根気よく探せば見つかるかもね~。
→2012年9月20日 ピグミーシードラゴン
これは見つけた瞬間におぉ~と叫んでしまったくらい。
そう、すでに前段でご紹介してるけどニシキフウライウオ。
ただ、こちらは幼魚。成魚と見比べれば全く違う色。透けすけの体にまるで花火のような模様はフォトジェニック!
しかし、残念ながらこの日一日のみのサプライズで終了・・・。いつの日かまた出会いたい。
→2012年8月30日 ニシキフウライウオyg
以上、10種+番外編5種、さらに2。
奥武島なんてって思ってるガイドさん、少しでも見方を変えてくれればなぁ。
ま、それよりもどんなポイントでもベストを尽くす。
その見返りとして、びっくりするような出会いがあるのかもしれない。
今年は台風シーズンとも言われ、まさに悪夢のように週末台風ということになってるけど、意外と台風明けにサプライズが起こることが多いようだ。