今回はなかなか潜れないビーチポイント、残波岬について。

青の洞窟で超有名な真栄田岬から車で10分の距離。でも潜ったことあるって人はおそらくその0.1%もいないはず。

そう、この地獄のような険しい道のりが大きな敷居となってるみたい。

こんな剣山のような岩場を抜けて、エントリーするのは、一部のマニアックな地元ダイバーか、暇なショップスタッフ、屈強なアメリカンダイバーぐらいだったり。

ただ、大変な思いをして潜るだけの価値は大アリの海だと思っています。

残波岬


サンゴ群生
エントリーすると、一面に広がったハードコーラルの群生。時期によっては、ダツが多数群れることもあります。

ほとんどダイバーが入っていないので、手付かずの自然がそのまま残ってるって感じ。

しばらく進めば、息を飲むような豪快なドロップオフ。
まるで高層ビル街の上を飛んでいるうな気分になります。

ちなみに、最大深度はゆうに40mオーバー。

うっかり50mもすぐに手が届いちゃうような水深なので、深度管理、減圧管理、残圧管理は普段潜る以上に気を付けないといけない。

ある意味、「残波岬」は底無しのダイビングポイントかもしれませんな。


洞窟
地形としても面白く、あちらこちらに洞窟が。

エントリー付近からすぐのところにメインの竪穴(20m~30m)があります。
こちらは上から入って、ボトムでは4方向に出口がわかれているのが面白い。
うっかりロウニンアジやナポレオンフィッシュが入ってることもあったりするので、カメラの準備をしてから入るのがいいかも。

この狭い横穴もその一つ。
こんなんでも、ちゃんとダイバーは通り抜けられちゃうんですよ。
ただ、水深30m。
水中拘束にでもなろうものなら・・・。

あとは、メインの穴ぼこの奥にもう一つ竪穴が。
こちらは16mぐらいから入って、下は26mぐらい。
出口も広いので安心感がありますな。
中にはカノコイセエビがうじゃうじゃと。


GTホール
そしてこの程度の穴ぼこで終わらないのが残波のスゴイところ。
エントリー付近のメインの竪穴を抜けると、さらにデカイ岩が。
そしてこの岩の沖側もオーバーハングになっていて、さらにGTホールと呼ばれる穴ぼこが。
ボトムの水深は、なんと・・・40m!

この付近にGTホールの名前の由来でもあるロウニンアジが入っていることも!

これだけ高確率にビーチダイブでロウニンアジが見られるポイントって他に無いかもしれませんね~。

ちなみに、この中、大きく抜ける縦穴の他に、左右にも複雑に抜ける穴ぼこがあり、あ、ロウニンゲット!と思っても写真に納めるのはなかなか難しいですね。


ナポレオンフィッシュ
あとは残波岬の古くからの名物としては、特大のナポレオンフィッシュ。

大きいのはゆうに2m近い大きさもあり、まさに粟国クラスの大物だったり。

こちらは夏場よりも冬場に遭遇率が高く、まさに神出鬼没、洞窟の中にいることがあったり、エントリー直後にいたりと、その存在は気を許せませんな。


ホワイトチップシャーク
ネムリブカもうようよと。

竪穴洞窟を抜けた細長い岩の下に大きな個体。
ゆうに2mはありそうですね~。


ネムリブカ
この写真、すごくないですか~。
水深6mぐらいのリーフエッジの洞窟にて。
4個体のネムリブカが折り重なるように頭を突っ込んでます。

なんと、この穴ぼこ、温水が吹きでているのです。
海底温泉?
これって沖縄本島では初なのではないでしょうか!

といっても、水温はかなり低い。
せいぜい23度ってところでしょうか。

冬場の水温が低い時期に潜ると、こんな光景が見られることも・・・。(ただ、ここ数年はこの光景を確認できておりませんが。)


ピグミーシーホース
あとはマクロ。
ダイナミックな地形と大物というイメージがある残波岬ですが、実はマクロの質も一級品。

その代表格はピグミーシーホース。とっても小さなタツノオトシゴなんですが、ビーチで通年見られるのは珍しい。

大きさは2センチという大きなものから1センチ弱まで。
ある特定のヤギをホストとしておりますが、実はこの残波岬、このヤギの宝庫。
あちこちのあるので、どこかのヤギにこの小さなピグミーがついていることも。

ちなみにピグミーがいる水深は20m前後とありえない浅さ。

これなら写真をかなり粘っても、減圧的には十分イケそうなレベルですな。
ただ、サクッと見つかれば、って話ですが。

深場のほうのヤギはさすがに探してないけど、まだまだいそうな気配ですね。


フリソデエビ
あとはガレ場ファンにはたまらないところでも。

定番のキンチャクガニ、クフリソデエビなんかも登場。

ちなみにフリソデエビって英名はハーレクイーン・シュリンプ。
そう、日本語だと道化師エビ。
なかなかいいネーミングセンスしてますねぇ。

でも、岩めくり。

めくり終わったら、しっかり元通りにしておきましょうね~。


あとはマニアックな水中生物達も満載ですね。

クダヤギクモエビ
このエビ、何気に慶良間でもドリフトポイントなどでしか見ることはできない。
紅白のちょっとめでたい色合いがいい感じかも。
この「クダヤギ」というあまり見かけないホストにつくエビなので、今ならほぼ確実に見ることができます。


イソコンペイトウガニ
あとはイソコンペイトウガニ。
この「トゲトサカ」というサンゴが至る所にあり、おそらく沖縄一といってもいいくらいの個体数が生息してるような気がします。


シンデレラウミウシ
ウミウシについては、何気にレッドビーチ並みに多いかも。
その中でも、まさに女王の風格のシンデレラウミウシ。
この他にもコンペイトウやアカテンイロ、キスジカンテンなど大きくて綺麗なウミウシをよく見るかもしれません。


どうでしょう、残波岬。

一度、潜ってみたいと思いませんか~。

リクエストのある方はお気軽に声を掛けて下さいね。

ただ、体力に自信のある方のみ限定!となりますな。


~追記(2011年12月21日)~
ナンヨウマンタ
ついにこの日がやってきました~。

ビーチエントリーでなんとナンヨウマンタ!!!
これにはテンションMAXでした。

ほんと沖縄本島最強ビーチポイントと呼ばれるだけのことはありますな。


カマストガリザメ(ブラックチップシャーク)

すっかりマンタの陰に隠れてしまいますが、沖縄では超レアなサメ・カマストガリザメも度々出没。

2m~3mぐらいの大きなやつが2個体居ついているみたいです。

英語だとブラックチップシャーク。
ちなみに似たようなツマグロはブラックチップリーフシャーク。
ん~、紛らわしいけど、カマストガリのほうは「トンガリ」の愛称で呼ばれてますな。

一発、どーんと大物を狙いたい方は是非、残波岬リクエストを!


~追記(2012年1月14日)~
ナンヨウマンタ
新年早々、年末の感動再びです!

またもや同じ場所でマンタ!!!
1度ならずも2度とは、まさに本物としかいいようがありませんな。
このままずーっと居ついてくれれば、
うちのダイビングショップの売りになるかもってね~。

「ビーチダイブでマンタが見れます!」

なーんて・・・。