ユキンコボウシガニ
カイカムリ、その存在を知っているだろうか。
カニの仲間で、カイメンやホヤ、ソフトコーラルなど被ってるものは様々。
しかも深く被ってるため、種の同定も難しい。

けど、ダイビングガイド中に見つけたときはちょっとうれしい。
即座に逃げるものでも無いので、被写体としてもベスト。

そんなカイカムリについて、沖縄の海で見られたものをご紹介!


オガサワラカイカムリ
まずは一世を風靡したともいえるユキンコボウシガニことオガサワラカイカムリ。
2008年頃から沖縄でも観察され始め、巷のインストラクターが血眼になって探した結果、意外といっぱいいるじゃんって結論に達したカイカムリ。

小さなチャツボホヤを被ったその姿はまさにユキンコの名前にふさわしい。
この名前ももともとはセブのダイビングショップが俗称としてユキンコボウシガニと呼んでいたそうな。

そしてそのブームの始まりから1年後に正式にオガサワラカイカムリという名前がついたそうな。

中身のカニについてはいくつも種類がある。白っぽいもの(上段)から赤っぽいもの(下段)まで。とりあえず、チャツボホヤを被ってればユキンコということにしているが、実は下のシカクイソカイカムリだったりすることもあるみたい。

夏場の真栄田岬はコンスタントに見ることができる。探し方のポイントは根気良く突っつくこと。中にカイカムリが入ってるので、堅い感触があるはずなので~。

けど、不思議と最初は300個ぐらい突っついてやっとって確率だったのが、慣れてくると30個ぐらい突っつけば、場合によっては3タッチぐらいでヒットすることも。
同じようなホヤでも岩への付き方や場所によって不自然な感じってのが、感覚的にわかってくるのかもしれません。


シカクイソカイカムリ

次は今は入れないのですが、レッドビーチで話題になったカイカムリ。

カイメンソウという黒い海綿を背負ったシカクイソカイカムリ。このカイメンソウがバラバラと固まっているところに混じっている事が多く、擬態効果はかなり高い。

体に対して、かなりアンバランスな被り物がいい感じだと思います。写真と撮るときも、カイカムリがわかるように、かつこの被り物全体が写るように撮るのは難しいかも。

見つけ出すポイントは、カイメンソウが集まっているとこがあったら、とりあえずゆすってみること。あとは持ち上げられるなら持ち上げてみると。
そうすると、このシカクイソカイカムリが落っこちてくることもあったり。ただ、カイメンは傷つけないようにくれぐれも注意しましょう。


マルミカイカムリモドキ

ユキンコブームを落ち着いたところで、次にきたのがこの手のカイメンを背負った大きなカイカムリ。

ユキンコでは小さすぎてよく見えんというダイバーでもちゃんと見えます。そして小さな体に大きなカイメンってのもインパクトありますねぇ。

この手の黄色いカイメンで、こぶし大くらいに離れているものがあったら怪しい。
試しにちょっと引っ張ってみよう。大きい固体になると、カイカムリ自体のしがみつく力がかなり強いので、上に引っ張るのではなく、横にスライドさせるようにすると分かり易いかも。

当然ですが、ここでもカイメンをブチブチとちぎらないように注意が必要ですけど。

あ~、ネタに困るなってポイントでも、コイツが見つかるとほんと助かりますので。普段何気なく見ているカイメンですが、中に潜んでる確率は結構高いみたい。


ソフトコーラル・カイカムリ
こうなるともうなんでもかんでもカイカムリが被りそうなものはチェック。そして見つかったのがこのソフトコーラルを被ったカイカムリ。

なんか中身はシカクイソカイカムリっぽい感じもしなくはないけど。

当然ですがソフトコーラルが群生している砂辺に多い。不自然に手ごろなサイズのソフトコーラルがあったらとりあえずチェックですね。


イシアタマカイカムリ
こちらはユキンコのような体ですが、まさにヘルメット仕様。実際触ってみてもかなり堅い。もう被れるものならなんでも感じがしますけど。
名付けて、ストーンヘッド(イシアタマ)カイカムリってね~。

残波岬のガレ場にて友人インストラクターが発見。被っているものがなんのかすらわからないけど、可愛いので良しとしようか。


バオバブカイカムリ
すさまじいアフロヘア―のバオバブカイカムリ。

特徴はなんといってもこの髪型。これでダイビング界のアイドルにまでのし上がった!?

ウミアザミというソフトコーラルの一種を被っており、この種の生物がいるところを根気よく捏ね繰り回すこと。
真栄田岬や残波岬でちょくちょくみられるみたいですね~。

ちなみにこの手のカイカムリを上手に写真に撮るコツは、意外ですが動いた瞬間にシャッターを切ること。
これで、被り物が少し持ち上がり、チラッとカイカムリが可愛く写るはず。
くれぐれも指で引っ張ったりとかしないようにね~。


ほんと2009年から沖縄のダイビング業界では、カイカムリブレイクが始まり、すでにその熱は冷めてきたような感もありますが・・・。

けど普段、ダイビング中に何気なく見ているホヤ、カイメンの中にこんな可愛い子が入ってるなんて驚きですね。しかも探せば探すほどいろんな被り物のカイカムリが出てくる。

さて、今年のブレイクはなんになるんでしょうね。

・・・2011.06.16追記(バオバブカイカムリ)